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クロアチア紛争をわかりやすく解説!殺し合う理由は一体何?

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クロアチア紛争・クロアチア人とセルビア人の殺し合い

クロアチアとセルビアの両国ではともに大統領に民族主義者が就き、クロアチアとセルビアの対立感情は一層激しくなりました。

クロアチアにはクロアチア人だけでなくセルビア人も多数居ました。

そのため、クロアチア国内ではこれらの民族の憎み合いが更に加速します。

そして対立を極めたクロアチア人とセルビア人は、クロアチアで紛争を起こしてしまいます。

この紛争では、憎み合うこれらの民族が見るに堪えない殺し合いをします。

それでは、いよいよクロアチア紛争についてお話します。

クロアチアの独立宣言

クロアチアの大統領トゥジマンは、自国に存在するセルビアの文化をクロアチアから消そうと考えていました。

そしてセルビアに住んでいたクロアチア人はセルビア人から酷い扱いを受け、たくさんのクロアチア人がクロアチアへ逃げてきました。

そのような事情もあり、トゥジマンはクロアチア人にとって優位な国をつくるためにこのような行き過ぎた政策を打ち出したのです。

またクロアチアとしては、「過激な大セルビア主義を掲げるセルビアと連邦国家なんて組んでられない!」「独立しなかったら事あるごとにセルビアに絡まれる!自由になりたい!」いう思いがありました。

こういった理由から、クロアチアはユーゴスラビアからの独立を望んでいたのです。

一方、セルビアはユーゴスラビア内に自国の領土を拡大することを考えていましたので、クロアチアの独立に反対でした。

そしてクロアチアにはセルビア人が多数いたので、大セルビア主義の実現を目指すセルビアにとってクロアチアの独立はなんとしても阻止しなければなりませんでした。

クロアチア独立・国民投票

このような雰囲気がある中、クロアチアにおいて独立するかどうかを決める国民投票が行われました。

クロアチアに住むほとんどのセルビア人はセルビアと同じような考えを持っていたこともあり、この投票に参加しませんでした。

その結果、独立賛成派が90%以上を占めました。

この投票結果を受けて、クロアチアは独立を宣言しました。クロアチアが独立宣言をすると、セルビア人は猛反発しました。

実は独立を宣言する前から、クロアチア国内では時折クロアチアの警察とセルビア系勢力が武力衝突し、既に血みどろの戦闘が起きていたのです。

クロアチア紛争、始まる

この戦闘で死者が発生したこともあり、両民族の果てしない憎悪がクロアチア中に渦巻いていたのです。

しかし独立宣言後、独立する・独立しないをめぐり、クロアチア人とセルビア人の武力衝突と憎み合いは劇的にエスカレートします。

戦闘はやがてクロアチア中に広がり、こうしてクロアチア紛争が本格的に始まってしまったのです。

紛争が始まると、クロアチアのあちこちで激しい銃声や砲撃音が飛び交うようになりました。

戦況は戦力で勝っているセルビア系勢力が優勢でした。

一方クロアチア勢力は、兵力で劣っていたことや、そもそも軍事に関して玄人の組織ではなかったことがあり、劣勢を強いられます。

セルビア系勢力はクロアチアの各地でクロアチア勢力を倒し、各地域を次々と制圧していきます。

セルビア系勢力が各地を制圧していくさなかでは、クロアチア人の民間人の殺害も行われました。

セルビア系勢力によって制圧されたある町では、頭部を刃物で刺された民間人の遺体や、顔面が原型をとどめていなくてその中身が見えてしまっている民間人の遺体などが、あちらでもこちらでも見られるという状況になっていました。

この紛争の恐ろしいところは、敵対民族の軍人だけでなく民間人もいつの間にか殺害の対象となっていたことなのです。

クロアチア勢力もセルビア人を虐殺

敵対民族の民間人の殺害を実行したのはセルビア系勢力だけではありません。

クロアチア勢力もまた、セルビア人の民間人を殺害していたのです。

クライナ・セルビア人自治区の近くにあるシーサクやゴスピッチでは、クロアチア勢力によってセルビア人が虐殺されました。

シーサクでは約400人、ゴスピッチでは約100人のセルビア人が殺害されました。

クロアチア勢力はこれだけにとどまらず、他の地域でもセルビア人を虐殺しました。

クロアチア紛争ではこのように、クロアチア勢力とセルビア系勢力の双方が殺し合いを何度も繰り広げていたのです。

ブコバルの戦闘

両民族の殺し合いはクロアチアの至る所で繰り広げられました。

その中でも特に悲惨な被害が出たのが、セルビアとの国境付近に位置するブコバルという地域での戦闘です。

クロアチア側はこの紛争において特にブコバルを守ることが重要だと考え、全力で防衛に徹していました。

一方セルビア側も、そうしたクロアチアの思惑を読んでか、ブコバルを陥落しようと動きます。

このブコバルでの戦闘はクロアチア紛争の中で特に激しいものでした。

戦闘は1991年8月下旬から同年11月中頃まで行われ、その結果、ブコバルはセルビア系勢力によって陥落されました。

この戦闘で1,000人以上のクロアチア人と非セルビア人の民間人が殺害されました。

そして、数千人のクロアチア人と非セルビア人がセルビア系勢力によって迫害され、難民となってしまったのです。

また、この戦闘ではセルビア系勢力にも大きな被害が出て、1,000人以上の兵士たちが犠牲になりました。

さて、セルビア系勢力はブコバルを陥落しても攻撃の手を止めません。

ブコバルに住む約200人のクロアチア人と非セルビア人の民間人を連れ出し、虐殺したのです。

クロアチア人とセルビア人がこのようにクロアチアの各地でお互いに敵対民族の殺害・迫害・虐殺を行った様相は、まさに地獄と言えるでしょう。

クライナ・セルビア人共和国

こうしてクロアチアを圧倒したセルビア人は、セルビア人が多数居住するクロアチア内の地域において自分たちの国家をつくってしまいます。

その国家の名前はクライナ・セルビア人共和国です。

その領域は、クライナと、セルビアに隣接しているスラボニアという地域の東側の部分を足した地域です。

紛争前、スラボニアの人口は約19万人で、そのうち約50%がクロアチア人、約30%がセルビア人でした。

紛争が始まってからは約10万人のセルビア人がスラボニアに居ました。

クライナだけでなく、スラボニアにもセルビア人が多数住んでいたことがよく分かると思います。

さて、クライナ・セルビア人共和国の面積はクロアチア全土の3分の1を占めていました。

領土を失いたくないクロアチアとしては、このクライナ・セルビア人共和国の独立を認めるわけにはいきませんでした。

クロアチア勢力はクライナ・セルビア人共和国の領土を奪い返そうとしますが、やはり戦力で勝るセルビア系勢力を前に返り討ちに遭ってしまいます。

そして、クライナ・セルビア人共和国に居たクロアチア人がまたしても虐殺されてしまいます。

1992年には、この事態を深刻と判断した国連がクライナ・セルビア人共和国へ軍を派遣します。

しかし、なんとセルビア系勢力の方が国連軍よりも戦力で勝っていたのです。

そのため、国連はほとんど無力で、事態は何も前進しませんでした。

嵐作戦・クロアチアのクライナ奪還作戦

それから3年後の1995年8月、クロアチア勢力はクライナ・セルビア人共和国の領土を奪い返すために軍事作戦を実行します。

それは嵐作戦という作戦です。

実はクロアチア側は、嵐作戦を実行するまでの間、武器の調達・兵士の訓練を行っていました。

そしてクロアチアの戦力は、クライナ・セルビア人共和国のセルビア系勢力の戦力を上回るほどまでになっていたのです。

1995年8月4日、クロアチア勢力は嵐作戦を開始します。

クロアチア勢力は、クライナ・セルビア人共和国のいたるところを攻撃します。

作戦は5日間続き、クライナ・セルビア人共和国からほぼ全てのセルビア人が消えました。

これにより、クロアチアはクライナ・セルビア人共和国の領土を奪い返すことに成功したのです。

一方、嵐作戦によってセルビア側に出た被害は甚大でした。

民間人と兵士あわせて1,000人以上が死亡し、約20万人のセルビア人が難民となってしまったのです。

クロアチア紛争・終結

クロアチアの嵐作戦成功により、クロアチア紛争は終結へ向かいます。

セルビア側は、もはやクロアチアと戦える戦力を有していないことを悟りました。

こうして戦闘は終了し、1995年11月、エルドゥート和平協定によってクロアチア紛争は終結しました。

この紛争によって約1万人以上が死亡しました。

独立をめぐる紛争は、お互いの民族に対する憎しみが重なったこともあり、相手民族をたくさん殺し合うという最悪の結果をもたらしてしまいました。

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