みなさん、こんにちは。
シリアといえばアサド政権!
アサド政権といえば、自国民を次々と殺してく恐ろしい政権。
日本でいうと安倍政権によって私たちが殺されたり傷つけられたりしてしまうということなんですね・・
平和な日本ではそんなこと想像すらできませんが、そんなことが現実に起こっている国が今日紹介するシリアなんですね。
アサド政権をわかりやすく解説!シリアってどんな国なの?
シリアと聞いてすぐにどういう国か分かる人は少ないと思います。
しかし、シリアはある理由から最も世界で注目をされている国です。それはなぜでしょうあ?
それは、世界で最も危険な紛争地域だからです。
そして、シリアを治めるバッシャール・アル=アサドという人に世界が注目をしています。
今回は、なぜシリアが世界で最も危険な紛争地域といわれ、アサドとはどういう人なのか分かりやすく説明していきたいと思います。
シリアってどんな国?
シリアは中東の一国で、イスラエル・トルコ・イラク・レバノン・ヨルダンに囲まれた国です。
ベースボール型の国土で有名なエジプトに近い国といったほうが分かりやすいかもしれませんね!
正式名称は「シリア・アラブ共和国」です。
シリアは1946年にフランスから独立をしました。
フランスの植民地だったということも驚きですよね!
その後、アラブ民族主義といわれるイスラム教の教えに則って国を治めていこうという考えを大切にしていき国家運営がされます。
しかし、1970年に今のバッシャール・アル=アサド大統領のお父さんハーフィズ・アル=アサドが革命を起こして、自らが大統領となるとそこから国家運営の方法が変わり恐ろしい独裁政治が始まるのです!
この父・アサドは自らが大統領となるだけではなく、自らの家族を政府の大臣や軍隊の長にするなど、家族で国家運営をしていきます。
なんだかどこぞの国に似ているような気がしませんか?
そうです北朝鮮ですよね。
その考えは世俗主義(特定の宗教に支配されない)と人民民主主義(一つの政党で国家統治をおこなう)で、分かりやすくいうと宗教に頼らない独裁政治ということです。
ただ、これはこれでうまくいっていたんです。
独裁政権でもうまくいっていたなんてなんだか信用できませんが。。。
国民の不満はなかったんでしょうか?
または、政府批判すると恐ろしいことになるので国民はだまって従っていたという可能性もありますね。
実際、2000年に父・アサドが亡くなるまでの間は長期安定政権だったという評価がされています。
しかし、父・アサドが亡くなった後、現在のバッシャール・アル=アサドが大統領になると事態は大きく変わっていきます。
バッシャール・アル=アサドってどんな人?
現シリアの大統領、バッシャール・アル=アサドは「世界最悪な独裁者ランキング」の中で世界第12位となっています!
そんなランキングがあること自体驚きですが・・・
因みに、世界最悪の独裁者ランキングの1位は日本にも馴染み深い、北朝鮮の金正恩総書記のお父さん、金正日前総書記ですね・・・・
世界12位の最悪な独裁者ってものすごく悪そうですよね。あんまり近づきたくない気もしますが。
しかし、バッシャール・アル=アサドはもともとすごく優しい人だったといわれています。
2000年に父・アサドが亡くなるのですが、このバッシャール・アル=アサドは全く政治に興味がありませんでした。
医者を目指してシリアにあるダマスカス大学を卒業するとその後はイギリスのロンドンにわたり眼科医として研修を積むなど、政治の世界とは全く無縁なところで生活をしていました。
しかし、本当はお父さんの跡を継ぐはずだったお兄ちゃんのバースィル・アル=アサドが交通事故で亡くなってしまいます。
そこで、バッシャールが跡目を継ぐこととなったため、そこから医者の道を諦め、大統領の地位に就くことになりました。
就任当初は、「世界各国から欧米流の人権思想を持った開かれた政治家になるはず」だと考えられていました。
実際、腐敗した内部を厳罰によって再構していこうとしました。
これには世界各国からも大きな称賛が寄せられ、シリアが変わると期待をされました。
さらに、バッシャールの奥さんアスマー・アル=アサドはもうビックリするぐらいの美人で「中東のダイアナ」と呼ばれるほどの方です。
世界の独裁者な美人の女性を奥さんにしますが、アスマーさんは圧倒的な美人です!
バッシャールとアスマーはロンドン時代に出会いました。その中で、アサド自身もロンドン生活で欧米風の生活様式に慣れていくわけです。
こうした人物的背景から、バッシャールに対する期待は世界から非常に高いものでした。
しかし、実際はバッシャールもお父さんと同じ独裁政治を続け、家族による国家運営を続けたため国民の失望は大きなものとなりました。
あれだけ期待したのに、ふざけるなー!って国民の怒りがたまっていきます。
結果として、誰もが期待した開かれたシリアは夢となり、その落胆は国民にとって大きなものとなっていきました。そして、2011年すべてが変わってしまうのです。
シリアを変えた「アラブの春」
2011年エジプトとチュニジアで民主化運動「アラブの春」が起こります。
独裁政治にNOを突き付け、自らの国を自ら決める「民主主義」を国民が求めるようになりました。そして、この運動はシリアにも飛び火します。
シリア国民も「アラブの春」に乗じて、民主主義国家の樹立のためアサド政権を打倒しようとします。
1970年から続くアサド家族の独裁政権を終わりにして、シリア国民自らが国家を作って行こうとしたのです。
エジプトやチュニジアはアラブの春がうまくいったので、誰もがシリアでもうまくいくだろうと考えていました。
「期待したのは裏切ったのはお前だ!」って国民は怒るわけです。
しかし、アサド政権のシリア政府と政府軍は国民に一切妥協をしなかったのです。
それは、家族経営の強みでもありました。
エジプトやチュニジアの軍隊は、所詮は雇われの身です。逃げたきゃ逃げますよね。。。
誰だって、国民である自分の家族や友人を傷つけようとは思いません。
一方のシリアは、政府も軍人もみんな家族が重役を担っています。
つまり、政府が転覆することは自らの命を落とすことに直結してしまうので、反政府軍に対しても一歩も譲ろうとしませんでした。
自分の家族以外は、誰だって殺してしまえって感じですね。。。。
このことが結果的に、シリアの内戦を長引かせる要因となったのです。
長引くシリアの国内紛争
紛争が始まっても、バッシャール・アル=アサド大統領は反政府軍に対して一歩たりとも譲歩をしませんでした。
こうなってくると、誰もが期待した若き日の開かれたシリアのリーダーはいなくなってしまいます。
「あの頃は、はっ!若かった、はっ!」ってなことになります。
反政府軍の軍人を捕まえては見せしめのため虐殺を行い、一部では毒ガスを使用したなどの情報まで出てきます。
シリアの至る所で、政府軍と反政府軍の紛争が勃発し、多くの国民も犠牲となりました。
こうなるともう誰にも止められなくなります。
そして、ついにシリアは世界で一番危険な紛争地域といわれるようになってしまうのです。
さらに、シリアの政府軍にはロシアやイランが支援し、反政府軍にはアメリカ、欧州連合、トルコ、サウジアラビアが支援をするなど国内紛争の様相から、国際紛争まで発展してしまいます。
また、IS(イスラーム国)がシリア内部に政府を樹立するなど、テロ組織の宿場として国家が蝕まれています。
ISみたいなテロ組織は、家族が揉めてる間に、家ごと乗っ取ってしまおう!って考えて、実際そうしているわけです。
他にも、こうした政府軍と反政府軍の争い以外にもイラン軍とイスラエル軍の紛争などがシリア国内で発生するなど、シリアは国際紛争の戦場にもなっています。
最初は夫婦喧嘩のつもりが、だんだん色んな人が入ってくるもんだから、いよいよ何が問題だったのかも分からなくなってきます。
終わりの見えないシリアの紛争
こうなった以上、アサドが政権を権力を放棄すればシリアが安定するとは限りません。
もう誰と誰の問題なのかも分からなくなって、いよいよ家ごと壊すかって感じです。
分かっているだけで、国内紛争によって、シリア全土で約25万人の死者、約650万人の国内避難民が発生し、周辺諸国に約480万人の難民が流出しています。
シリアの政府軍と反政府軍の停戦条約交渉を各国が代理で行うなどの試みをしていますがうまくいっているとはいえません。
ロシアとトルコが2020年3月に代理停戦の合意をしましたが、これはシリア内戦の一部の地域に限定されたもので、これが長く続くとは考えにくいです。
アサド政権をわかりやすく解説!シリアってどんな国なの?まとめ
バッシャール・アル=アサドが大統領に就任した時、彼に対する期待は非常に高かったです。
誰もがシリアを変えるリーダーになると疑いませんでした。
しかし、独裁政治を行う中で彼自身も変わっていったのかもしれません。
地位に対する欲望に溺れてしまったのか、今では反政府軍をせん滅するためには強力な武器の使用も化学兵器の使用も厭わないまでになってしまいました。
そして、世界で最悪の独裁者として世界でも知られるようになってしまったのです。
ただ、バッシャール・アル=アサドは妻・アスマー・アル=アサドに「今の自分はなりたい自分じゃない」という言葉をある曲の一部を引用してメールで送っていたといわれています。
果たして、それが真実なのか、それともやはり世界最悪の独裁者なのか、今後のシリアを見ていかなければいけません。
しかし、シリア国内で起きている惨状をみたらどんな自分であろうと国家を回復させるために力を使って貰いたいと思います。
是非、今後の動向をニュースで確認してみてください!
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