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2020年2月26日から海上自衛隊の護衛艦の部隊が中東地域で活動を始めました。
防衛省設置法の「調査・研究」に基づいて、1年間という期限を設けて今後は情報収集を行うことになっています。
でも、これってニュースで取り上げられてはいたけど、何が問題なの?そもそも用語が難しくてよくわからない、っていう人多いですよね。
今回はこの「自衛隊の中東派遣」について分かりやすく説明していきたいと思います。
何かと取り上げられる中東問題ですが、この問題が少し分かると世の中のニュースが理解しやすくなるので是非、最後まで読んでみてください。
中東派遣!自衛隊はなぜ派遣されるのか!どうして決まったの?
2019年4月ごろから、ホルムズ海峡の近くで石油タンカー船に対する攻撃や拿捕する事件が起こります。
このホルムズ海峡っていうのが、危険な地域なんですね。
アラビア海からペルシャ湾への入り口になるんですが、周りにはイラン・イラク・サウジアラビア・UAE・バーレーンっていう国があって、なんだか危険な地域って感じがしますよね。
このホルムズ海峡付近で石油タンカーが攻撃されると、それこそ日本にとっては死活問題です。
だって、日本が使用する最大のエネルギー源は「石油」です!しかもその9割以上は中東地域からの輸入でまかなっています。
つまり、もし日本の石油タンカー船が攻撃されて、日本に石油が輸入できなくなると、日本経済は停滞をしてしまいます。
それこそ、トイレットペーパーはなくなるし、ビニール袋もなくなる、車も動かせません。
こうしたことを起こさないためには日本の石油タンカー船を自分たちで守るしかないわけです。
中東派遣!自衛隊はなぜ派遣されるのか!これって当たり前
こうした中東地域の不安定感を問題視したアメリカがまずは有志連合の発足を発表します!
自分たちの船は自分たちで守る!だから、一緒に行動しよう!って呼びかけます。
国際法上、日本国籍の船は日本人自ら守らなければいけません。つまり他の国の人達は日本国籍の船を守ることはありません。
えっ?それじゃ襲われてても見て見ぬふりするの。。。そうです、それが国際法です!
そのため、ホルムズ海峡付近を航行する船を有する国は自ら軍隊を派遣して安全を守らなければいけません。
それをいち早くいったのがアメリカで、日本でも議論するようになりました。
そのため、日本政府でも10月には自衛隊を中東地域に派遣しようってことになって準備を始めていきます。
中東派遣!自衛隊はなぜ派遣されるのか!簡単な問題ではない!
しかし、日本の自衛隊は戦うための集団ではありません。
憲法9条との関係で海外で武器を使った攻撃をすることはできないのです。
ですから、日本はこうした問題が起きた時、「じゃ、どうするの?」ってことになるのです。
日本の安定した生活を守るために石油タンカーを守るべき、でも憲法を守れば自衛隊を派遣するべきではない。
もはや、これは永遠の課題ですね。。。。

そこで、日本政府が考えたのが奥の手!防衛省設置法に基づく「調査・研究」で自衛隊を派遣します!ってことになったわけです
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つまり、中東地域に自衛隊を派遣するのは石油タンカー船を守り戦うわけではなくて、中東地域の海が安全かどうか「調査・研究」してきますね!って言って派遣することにしたわけです。
中東派遣!自衛隊はなぜ派遣されるのか!インチキ論浮上!
しかし、そうか調査・研究なんですね!それならいいですよ。ってなるわけないんです。
すぐに、立憲民主党や共産党などの野党は「そんなのインチキだ!」「自衛隊の命をどう守るんだ!」っていうわけです。
そりゃ、普通に考えて、「調査・研究」だけで終わるわけないですよね。もしかしたら戦わなければいけないかもしれないし。
でも、この防衛省設置法のすごいところは「国会議論が必要ない」ってことなんです。
つまり、「調査・研究」程度なら防衛大臣の権限で行っていいですよってなっている。
そのため、野党は怒るわけです!「そんな危険な地域に自衛隊を送るのにおかしいだろ!」「ほんとに安全なのか!」って。
これはこれでごもっともな議論です。
でも、それを決めることができるのは防衛大臣であり、国会議員が反対しても実際にはできるというのが現在の法律です。
中東派遣!自衛隊はなぜ派遣されるのか!本当の目的とは?

そもそも、中東地域が安全なら今回の問題は起こらないわけです。
しかし、本当の問題はアメリカとイランの対立です。
この2カ国の間で争いが続いてて、どっちも一歩も引かないから問題が大きくなっていくばかり。
日本はアメリカとは同盟国でありますが、一方でイランとも友好関係を築いてきたという歴史があります。
そのためアメリカの有志連合の呼びかけに答えないわけにもいかないし、有志連合に参加したらイランとの関係も悪くなるし。
仲の悪いA君とB君。でも僕はA君ともB君とも仲良くやりたいのにな~。っていうのが日本です。
そこで日本は、有志連合には参加しないけど、一応「調査・研究」のため行きますっていう答えを出しました。
A君と一緒の場所で遊ぶけど、ほら一人で遊んでるだけだからさっ、て言うしかないわけです。
しかし、これが日本の本当の目的ではないかといわれています。つまりどっちともうまくやる!
中東派遣!自衛隊はなぜ派遣されるのか!2020年1月の大きな転換
こうして、うまく乗り切ろうとした日本政府だったのですが、2020年1月の初旬に事態が大きく変わります。
アメリカがイランのソレイマニ司令官を暗殺してしまい、その報復措置としてイランがアメリカの軍事基地を攻撃するという戦争一歩手前までいきます。
このことによって、アメリカとイランの緊張関係は一気に高まり、全面戦争の様相までいきました。
今回は両国が落ち着いため、全面戦争とはなりませんでしたが、今後どうなるかは分かりません。
しかし、このことが日本国内にも影響を与え、「調査・研究」でもすぐに自衛隊を派遣して日本籍のタンカー船は守るべきだという動きになりました。
そのため、2月下旬に海上自衛隊が中東に派遣をされ、現在も中東地域で活動を行なっています。
中東派遣!自衛隊はなぜ派遣されるのか!まとめ
現在、派遣された海上自衛隊はオマーン湾からアラビア海北部の地域(ホルムズ海峡手前)で「調査・研究」を目的に活動を行なっています。
活動の根拠は「防衛省設置法」の「調査・研究」に基づくものであり、万が一武力行使が必要となった場合は「自衛隊法」の「海上警備行動の発令」によって対処することになります。
つまり、攻撃されたりする問題が発生したらその時に決めましょうってなっています。
期間は1年間ですが今後のアメリカ・イランの関係によっては延長する可能性もありますね。
今回、自衛隊の中東派遣についてまとめてみました。
日本の国内法の関係だけではなく、アメリカ・イランとの関係でもあるので問題はややこしくなっています。
ただ、日本国籍の船は日本人しか守れない、中東地域はアメリカ・イランが揉めているけど日本はどっちとも仲良くしたい、自衛隊は今「調査・研究」を行っている。
この辺りだけでもわかってもらえるといいと思います!
このことが理解できてるだけでも、ニュースが分かりやすくなると思います!