アジア歴史

タリバン ・アルカイダ・ISISの違いって何?【前編】タリバンはパキスタンで始まった!

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皆さんこんにちは!

中東って聞くと皆さんはどんなイメージがありますか?

戦争やテロがあっていろいろもめている、イスラム教ってなんか怖い!と思っている人もいるかもしれません。

中東のニュースでタリバン・アルカイダ・ISISって言葉をよく聞くけど、何がどう違うのか分からない人の多いかもしれません。

今回はタリバン・アルカイダ・ISISがどんな組織なのか、どんな歴史の流れの中で生まれたのか、そしてこれらの組織の違いについて説明していきたいと思います。

なんかよく分からないから怖い!から抜け出しましょう!

同じ歴史の流れで生まれたイスラム過激化集

タリバン・アルカイダ・IS。

国際ニュースで一度は耳にしたことのある言葉だと思います。

違いはよく分からないけど怖い!というイメージばかりが先走ってしまってしるかもしれません。

実際、タリバン・アルカイダ・ISは共通していることがあります。

それはイスラム教のなかでも厳格に教えを守っている人たちのなかから、イスラム教の教えをかなり極端に解釈して、それを理由に自分たちの目的のために過激な行動している、というところです。テロ行為がこれに当てはまりますね。

けれど、これらの組織は単発的・自発的に生まれたわけではありません。

今からたった50年ほど前からはじまった、同じ歴史の流れで生まれたイスラム過激化集団だったのです!

しかも驚くことに原因はイスラム教徒たちにはないという事実なのです!

タリバンとはどんな組織なの?

タリバンはひと言で言ってしまうと、パキスタンという国のスパイ組織が作ったイスラム過激化組織です。主にアフガニスタンという国の地域で活動しています。

2021年8月にアフガニスタンに「アフガニスタンイスラム首長国」の建国を宣言して今も国際社会を騒がしているので、よく耳にしているかと思います。

タリバンはイスラム教の教えを厳格に守っている原理主義と呼ばれる人たちのなかから、特に過激な考えを持っていて、そのやり方は非人道的です。

この世ではひたすら神のことだけを考えていればいい、という考えからテレビや映画、写真などの一切の娯楽を禁止しています。

罪人に対しては、生き埋めや斬首などの公開処刑を執行します。

非人道的だといわれている行為のなかで有名なのは、女性に対する差別です。

女性は家の中で守らなければならないと考え、女性に外で働くことを禁じ、学校で学ぶ権利を剥奪しています。

外出する時は女性だけで行動することは許されず、かならず男性の同伴がなければなりません。

医療もまともに受けられず、自由恋愛も自由結婚もできないのです。

もともとイスラム教では女性を大切にしなければならないという教えがあるのですが、極端に解釈した結果、逆に女性をないがしろにしているのです!

ソ連のアフガニスタン侵攻からはじまった

タリバンはアフガニスタンで活動していると説明しましたが、同時にパキスタンのスパイ組織が作ったイスラム過激化集団だとも説明しました。

なんでパキスタンで生まれた組織が、アフガニスタンという別の国で活動しているの?と思っている人が多いのではないかと思います。

ここからはどのようにしてタリバンが誕生したのか説明していきます。

はじまりは第二次世界大戦まで遡ります。

第二次世界大戦では世界全体で多くの戦死者をだしますが、国民が一番死んだのはどの国か皆さん知っていますか?

敗戦国であるドイツや日本のイメージがありますが、実は戦勝国であるソ連なんです。

第二次世界大戦後、世界はアメリカとソ連の2大強国の対立が激しくなるのですが、ソ連、今のロシアを地図で見たら分かりますが広い国土を持っています。

世界大戦で多くの国民が死んでしまったトラウマがあるソ連は、自分の隣国は自分の味方でいてほしい、そうじゃないと安心できない!という考えを強く持つようになります。

世界大戦後、アフガニスタンはソ連と国境を接していて隣同士でした。

アフガニスタンは当時イスラム教の王国で軍事力も強くなかったので、ソ連も問題視していなかったのですが、アフガニスタン国内でクーデターが何度も起きて政治が不安定になっていきます。

そこでソ連は考えます。「アフガニスタンが不安定になってて怖いなぁ。この際だから、しっかり自分の影響化に置いちゃえばよくない?」

共産主義者VSイスラム教(宗教)

そして1979年にソ連はアフガニスタンに侵攻します。

この戦いは単にソ連VSアフガニスタンの構図だけではなく、別の側面の戦いもありました。

それはソ連が社会主義国であり、アフガニスタン国民がイスラム教徒であることです。

アフガニスタン国民はイスラム教を信じているので、宗教を国の中心としてイスラム教の教えに沿って政治をしていました。

一方、ソ連は共産主義を目指して国を運営していました。共産主義は「宗教は麻薬と一緒。宗教はいらない!」という考えを持っています。

そもそも共産主義と宗教は相いれない存在、水と油の関係!

ソ連のアフガニスタン侵攻は、宗教を否定する共産主義者VSイスラム教(宗教)でもあったのです。

イスラム教徒にとって、イスラムの土地を守るために戦うことは「イスラムの教えを守る努力=ジハード」として認められています。

アフガニスタンの周辺には多くのイスラム教の国があり、アフガニスタンを助けなければならないとサウジアラビアを中心とした多くの若者が武器をもってアフガニスタンにやってきました。

彼らはムジャヒディン(イスラム聖戦士)と呼ばれました。

この戦いは、ソ連VSアフガニスタン国民のムジャヒディンと周辺国からやってきたムジャヒディンたちの様相になっていきます。

アメリカの介入

アフガニスタン国外から多くのムジャヒディンがやってきても、軍事力は圧倒的にソ連が有利でした。

戦争にはお金がかかります。ソ連はアフガニスタンとの戦いを早々に終わらせる考えでしたが、そうはいきませんでした。

どうしてだと思いますか?

なんとこの戦いに、ソ連と対立していたアメリカが介入したからなのです!

アメリカはソ連の体力を削って弱体化させようと、ムジャヒディンたちに対して最新の武器や資金を送り込んで支援しようと戦略をたてます。

アフガニスタンは周りを他国に囲まれた内陸国だったので、アフガニスタンの隣国でアメリカと親しかったパキスタンの港に物資を陸揚げして、パキスタンの軍のスパイ組織の協力を得て、どんどん武器や資金を送りました。

ソ連は空飛ぶ戦車と呼ばれる巨大なハインドヘリコプターを飛ばしてアフガニスタンを攻撃していました。

スティンガーミサイルでソ連を攻撃

それに対してアメリカはスティンガーミサイルという当時最先端の武器をムジャヒディンたちに提供します。

スティンガーミサイルは人が肩に担げるほどの小さな兵器ですが、ヘリコプターに向かってミサイルを発射すると自動的にヘリコプターを追尾にて撃墜できる怖ろしいもの!

スティンガーミサイルによってソ連軍は次々にヘリコプターが撃墜されてしまい、ぼろぼろになってついにはアフガニスタンから撤退をします。

パキスタンの思惑でタリバンが誕生した

アメリカの援助でソ連に勝利したアフガニスタンですが、残念ながら平和は訪れませんでした。

敵であるソ連がいなくなったことで、周辺国から来ていたムジャヒディンたちは自分たちの国に帰ります。

アメリカもソ連を弱らせればよかっただけだったので、アフガニスタンに対して関心を失いました。

アフガニスタン国民はほとんどがイスラム教徒ですが多民族国家です。

戦後、どの民族が主導権を得るかで内戦がはじまってしまいました。

世界中の国がアフガニスタンに無関心になっているなか、アフガニスタンの内戦を利用しようとしている国がいました。

アフガニスタンの隣国のパキスタンです。

パキスタンはアフガニスタンとインドに挟まれている国ですが、インドとは文化や国境の領有権争いなどで対立していて、頻繁に戦争をしています。

しかもパキスタンはインドに負けてばかりいました。

インドと争っているのに、自国の背後のアフガニスタンが内戦でごたついている状態はパキスタンにとって恐怖そのものです。

そこでパキスタンは「アフガニスタンの内戦に乗じて、アフガニスタンに自国の言うことを聞く政権を作ってしまえ!」と考えます。

アフガニスタンでは内戦で多く国民がパキスタンに難民としてはいってきていて、多くの難民キャンプができていました。

それに目をつけたのが、パキスタンのスパイ組織です。

彼らは、難民キャンプに神学校を作り、子供たちにパキスタンの中でもイスラム教に特に厳格で過激な思想を洗脳教育します。

そうです、イスラム教過激派の思想に染まった学生たちを使ってアフガニスタンを支配させようとしたのです!

怖ろしい話ですよね…!

またパキスタンはソ連との戦いにおいて、アメリカがムジャヒディンたちに援助していた武器や資金をこっそりちょろまかしていて、自分たちの物にしていました。

やがて時はたち、パキスタンは過激思想に染まった学生たちにアメリカの最新武器を与えてアフガニスタンに送りこみます。

これがタリバンの始まりです。

タリバンは「学生たち」という意味です。

アフガニスタンにタリバン政権が樹立された

内戦でぐちゃぐちゃになっていたアフガニスタンに、1994年の冬に突如として最新兵器で武装して若者たちが現れました。

タリバンです。

アフガニスタン国民は驚きますが、タリバンは規律正しく、国民から物を強奪してり女性に乱暴を働くこともしませんでした。

たちまち国民の支持を得、最新武器もあって、あっという間にアフガニスタンのほとんどの地域を支配していき、アフガニスタン国内にタリバン政権を樹立します。

国民たちはやっと平和が訪れる……と思いました。

しかし、タリバンがはじめたのは「恐怖政治」そのものだったのです。

不幸なことにアフガニスタンに興味をもっていたのはパキスタンだけという状態。

タリバン政権の非人道的な行いは多くの人に知られることもなく、国際的に問題視されることをありませんでした。

タリバン政権は1995年頃からはじまりましたが、2001年12月にアメリカの攻撃を受けて消えるまで続いたのでした……。

アルカイダとはどんな組織?つづく・・・

タリバンはアフガニスタンのテロ集団ではないということはおわかりいただけましたでしょうか?

なんだかパキスタンのイメージが悪くなってしまうかもしれませんがもとはパキスタンでできた集団だったんですね。

ここからはタリバンとよくごっちゃになるアルカイダについてみていきます。

続きはこちら>>タリバン ・アルカイダ・ISISの違いって何?【中編】

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