アジア歴史

タリバン ・アルカイダ・ISISの違いって何?【中編】アルカイダの起源とは?

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みなさん、こんにちは。

中東のテロリストであるアルカイダやタリバンについてよくわからない!という人のためにその違いなどを解説しています。

前編ではタリバンがどうやってできたのか見てきました。

>>タリバン ・アルカイダ・ISISの違いって何?【前編】

ここからはアルカイダがどのようにして生まれたのか、そしてアメリカとの関係が悪化するまでの話を分かりやすく説明していきたいと思います。

アルカイダとは何者?

アルカイダもよく聞く言葉ですよね。

アルカイダは反アメリカ思想をもった国際テロ組織です。

とにかくアメリカが憎い!という人たちの組織で、アメリカへの復讐と制裁のためには手段としてテロ行為も厭いません。

2001年9月11日にアメリカで起こった同時多発テロはあまりにも有名ですが、これはアルカイダの仕業です。タリバンではありません。

アルカイダを作ったのはオサマ・ビンラディンという人物。

よく名前が知られていて、インターネットで調べれば写真もバンバンでてきます。

アルカイダは、ビンラディンの「アメリカが憎い」という一心で誕生した組織ですが、どうしてそうなったのかこれから説明していきたいと思います。

アルカイダの創始者・ビンラディンとは?

オサマ・ビンラディンは1957年にサウジアラビアの富豪の息子として生まれました。

ビンラディン家はサウジアラビアでは建設業で財を成した富豪中の富豪。

サウジアラビアはサウド家という王家が治めている国ですが、ビンラディン家は王家と太いパイプを持つ名家なのです。

オサマ・ビンラディンは超お坊ちゃまだったんですね!

サウジアラビアはイスラム教徒のなかでも、厳格に教えを守るイスラム原理主義の人が多いですが、ビンラディンもイスラム教スンナ派を信じていて敬虔なイスラム教徒でした。

そんなビンラディンが20代前半の頃に転機が訪れます。

それはソ連のアフガニスタン侵攻でした。

ビンラディンはムジャヒディン(聖戦士)だった

イスラム教を心から信じていたビンラディンは、同じイスラム教国であるアフガニスタンが宗教を否定するソ連に攻め込まれたことを知ると、イスラムを守る義勇兵つまりムジャヒディンになってソ連と戦うことを決意します。

そして、サウジアラビアからアフガニスタンに渡り、ソ連軍と戦ったのです。

後にアメリカの脅威となるビンラディンが、若者の時にアメリカの支援を受けた武器を使ってソ連と戦っていたのです。

そう考えると不思議な気分になりますよね……。

ビンラディンはお金持ちのお坊ちゃまだったので、自分のお金を使ってアフガニスタンに集まってきた様々な国のムジャヒディン候補者たちの名簿を作り、彼らを訓練・育成しました。

アルカイダとはアラビア語で「基地」を意味します。ソ連のアフガニスタン侵攻時に名簿作りのために作った基地がアルカイダの始まりです。

アルカイダの始まりは対アメリカではなかったのです。

その後ソ連がアフガニスタンから撤退し、ビンラディンも自分の祖国であるサウジアラビアに帰りました。

祖国を追放されたビンラディン

アフガニスタンでムジャヒディンとして戦い祖国のサウジアラビアに戻ったビンラディンでしたが、帰国して数年後の1990年にサウジアラビアにとって迷惑極まりないことが発生します。

イラクが石油利権を狙ってクウェートに侵攻したのです。これを「湾岸危機」と言います。

クウェートはサウジアラビアの隣国です。

「よその国のことだから知らない」などと言っていられません。下手すればイラクがサウジアラビアにも侵攻してくる恐れがありました。

湾岸危機に対してアメリカはイラクに抗議の声を上げます。

アメリカはクウェートの周辺にあるアラブ諸国に呼びかて、アメリカとアラブ諸国の連合による多国籍軍を編成してイラクに対抗します。

元々サウジアラビアとアメリカの仲は良かったので、サウジアラビアはイラクの脅威から守ってくれないかとアメリカに頼みます。

アメリカはそれを了承し、アメリカ軍をサウジアラビア国内に駐留させようとしました。

しかし、ここで「アメリカ軍をサウジアラビア国内に入れないでください!」と猛反発した人物がいました。

そうです、ビンラディンです。

サウジアラビアはイスラム教の聖地であるメッカとメディナがあります。

イスラム教徒にとって神聖な土地があるサウジアラビアに、異教徒であるアメリカ軍が来るなんてとんでもない!と考えたのです。

ビンラディンはサウジアラビアの王家に「自分たちの仲間だけでイラクの侵略に備えるからアメリカ軍を呼ばないでください」と嘆願しますが、王家は彼の仲間だけでは対抗できないと判断してアメリカ軍を呼びます。

この出来事にビンラディンは怒り狂います。

サウジアラビアにとって絶対的存在である王家を激しく批判しました。

結果、ビンラディンはサウジアラビアの国籍を剥奪され、国を追放されてしまいました。

ビンラディンと仲間たちはアフリカのスーダンに逃げるのですが、アメリカがスーダン政府に圧力をかけたことによってスーダンにいることができなくなり、結果若い時に自分が戦っていたアフガニスタンに戻ることになったのでした。

アルカイダ結成~アメリカが憎い~

ビンラディンにとってアメリカは、祖国であるサウジアラビアや逃げた場所であるスーダンにいられなくなった元凶です。

アフガニスタンに着いた時にはアメリカへのどす黒い憎しみにこれでもかというほど支配されていました。

アメリカを何としてでも叩き潰してやると怨念に燃えていたのです。

ビンラディンがアフガニスタンに着いた時、アフガニスタンはタリバン政権に支配されていました。

タリバン政権の中には昔ソ連相手に一緒に戦った仲間もいて、ビンラディンはタリバンの客人として迎えられます。

国を追放されたとはいえ巨額の資金を持っていたビンラディン。

その金をタリバンに寄付したり、アフガニスタンの道路整備を行ったりしたりして、タリバン政権からかなり厚く庇護されました。

ビンラディンはアフガニスタン国内でアメリカと戦う国際テロ組織作りのために基地を作り、大勢の戦士を養成します。

これが私たちの知るアルカイダの誕生です。

麻薬取引などで資金を調達しながら、アラブ諸国を中心にアルカイダという組織を拡大していきます。

イスラム教徒の反米感情を煽りまくりました。

1998年にはケニアとタンザニアでアメリカ大使館の同時爆破事件を起こしています。

2001.9.11同時多発テロ

アメリカへの復讐と制裁のためにビンラディンに命じられたメンバーが2001年9月11日、アメリカ国内で4機の飛行機を乗っ取って、同時多発テロを起こしました。

最終目的は飛行機を乗っ取って、アメリカの富と成長のシンボルともいえる世界貿易センタービル、ワシントンの国防総省、アメリカ合衆国議事堂にそれぞれ突っ込むことでした。

ニューヨークの世界貿易センタービルはツインタワーだったのですが、まず最初の1機が午前8時46分に激突します。

その怖ろしい光景にテレビ局が一斉に生放送で中継をはじめました。

しかし、1機目の飛行機が激突してわずか17分後の午前9時3分に、もう2機目の飛行機が激突します。

生中継の最中です。その光景は世界を震撼させました。

この同時多発テロによって判明しているだけで3025人もの人が亡くなりました。

日本人も少なくとも24人の方が亡くなっているのです。

アメリカのアフガニスタン空爆

9.11の同時多発テロを受けて、当時アメリカ大統領だったジョージ・W・ブッシュは非常な危機感を抱き「テロとの戦い」を宣言します。

アメリカは報復をするぞと、すぐに行動しました。

早々にイギリスと軍を編成し、アフガニスタンを攻撃する準備にはいります。

アフガニスタンにいるアルカイダのリーダーであるビンラディンが同時多発テロの首謀者だと分かると、アメリカはアフガニスタンを支配しているタリバン政権にビンラディンの引き渡しを要求しました。

しかしタリバン政権はその要求を拒否しました。

タリバン政権は客人は自分の命をかけても守らなければならないという掟があったからです。

これにたいしてブッシュ大統領は「テロリストを匿う奴もテロリストだ!同罪だ!」と言い切り、10月7日にはアフガニスタンへの攻撃を開始しました。

アメリカの圧倒的な武力の前に、タリバン政権もアルカイダもあっという間に総崩れ。

2001年12月7日にはタリバン政権は崩壊。

メンバーはちりじりに逃げ、多くが隣国のパキスタンに逃げ込みました。

ビンラディンも逃げ続けました。

アメリカは大規模な捜索を続けましたが、約10年間見つけることができませんでした。

そして、9.11同時多発テロから約10年後の2011年5月。

ビンラディンはパキスタンに潜伏しているところをアメリカ軍に発見され、殺害されたのです。

タリバン、アルカイダと同じ?ISって何?

さて、タリバンとアルカイダを解説してきましたが、「あれ、なんかテロ組織にISっていうのなかったっけ?同じような組織なのかな?」と疑問に思うかもしれません。

タリバンとアルカイダは主にアフガニスタンを中心として誕生し、活動している組織ですが、ISは活動場所が変わります。

ISはイラク北部地域からシリア東部にかけて活動しています。

ISとは「イスラム国」という意味で、ISと名乗る前はISIS「イラクとシリアのイスラム国」と名乗っていました。

「国」と名前がついていますが、あくまでも勝手に名乗っているだけです。

国際社会のどの国も、ISを国家として認めていません。

ISの目的が本当にやばい・・つづく・・

ISもイスラム過激化勢力で自爆テロ、誘拐、暗殺などの事件をバンバン起こしていますが、アルカイダとはまた違った目的をもっています。

アルカイダはあくまで反アメリカ組織であるのに対して、ISは領土を持った国家の建設を目指しています。

世界を制覇して世界全体をイスラム化する!という野望をもった、本当にヤバい組織です。

インターネットで自分たちの主張を世界にアピールしたり、一時的にはイラクからシリアの広い地域を支配し、最大時は日本の国土2/3ほどと同じ程度広がったこともあります。

では次からISがどのように誕生したか見ていきたいと思います。

>>タリバン ・アルカイダ・ISISの違いって何?【後編】

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