かつてロシアの宮廷で、皇帝でもないのに多大な影響力を誇り「怪僧」と呼ばれたグレゴリー・ラスプーチン!!
伝説的なまでにすべてが度を超していたラスプーチン 。
今回ご紹介するのは、ラスプーチンにまつわる逸話です。
そこで、数あるラスプーチンの逸話の中でも、特に面白いものを集めてみました。それにしても、彼はなぜ、そこまで歴史に名を残すびっくり人物になったのでしょうか??
ほぼ無敵!? ラスプーチン伝説
ラスプーチンの生涯や逸話を読んでいると、必然的に生まれる疑問があります。
それが、「この人って無敵なんじゃないか?」というものです。
それほどまでに、ラスプーチンが持つ逸話は驚異的です。彼が生きた時代は比較的新しい(19世紀末期~20世紀初期)にも関わらず、残っている話はまるで、太古の昔に生きた伝説的人物に似ています。
そんな、伝説的で信じられないラスプーチンの逸話。これを「ラスプーチン伝説」と名付けて見ていきましょう。
ラスプーチン「神の力」で病気を治療
ラスプーチンが宮廷に出入りするきっかけとなったもの。それが「神の力」です。
ラスプーチンは元々、満足に勉強することができないような、ロシアの寒村で育ちました。そんな彼が巡礼の旅に出て、身に着けた能力。
それが「神の力」で、いわゆるヒーリング能力と言われるものですね。
2度目の巡礼の旅で、ラスプーチンはサンクトペテルブルクを訪れました。ここでラスプーチンが行ったのが、病気に苦しむ人々の治療です。医者でもないのになぜ治すことができたのかは不明ですが・・・
「神の人」と呼ばれるまでに!
ラスプーチンは次々に人々の病気を治していきました。重病・難病問わず、多くの人に手を差し伸べ、助けていったのです。
その結果、ラスプーチンは「神の人」と呼ばれるに至りました。
当然、ラスプーチンを妄信する人も現れます。そういった人を軸に、彼の信者は増えていきました。やがてラスプーチンの評判は、時のニコライ2世皇帝夫妻の耳に届くことになります。
ロシア皇帝夫婦を虜にしたラスプーチン
ラスプーチンは宮廷に招かれ、皇帝夫妻と謁見することになりました。その場で、彼はどんなことを語ったのでしょうか。
それの細かな部分は伝わっていません。それでも、ラスプーチンは皇帝夫妻(特に皇后アレクサンドラ)の心を掴んだことは確かです。
ところで、ヨーロッパの王侯貴族たちを悩ませた病気をご存知でしょうか?
王族にも血友病が蔓延
それは「血友病」と呼ばれる、血が止まりにくくなる病気です。遺伝する病気で、イギリスのヴィクトリア女王とその子孫やハプスブルグ家などが、有名な血友病因子を持つ一族です。
そして、時のロシア皇帝一家も、血友病とは無縁ではありませんでした。ヴィクトリア女王のひ孫にあたる、ロシア皇帝長男のアレクセイも血友病を発症していたのです。
あるとき、アレクセイは血友病の発作で、生死の境をさまよっていました。そこでニコライ2世が呼び寄せたのが、誰であろうラスプーチンでした。
ラスプーチンはそれに答え、アレクセイのために祈りを捧げます。
するとどうでしょう。翌日にはあれほど高かった熱も下がり、医師も見放した病状だったアレクセイは快方に向かったのです。
さらに驚くべきことに、ラスプーチンが祈りを捧げたのは、アレクセイの病室からは遠く離れた場所だった、という話もあります。
遠くから、ヒーリング能力を発揮したのです!もう皇帝夫婦の心を鷲掴みにしてしまったのでした。
男性の「魅力」で女性信者をゲット
ラスプーチンの写真を見てみましょう。ひげもじゃで、風貌からして怪しく、正に「怪僧」と呼ぶのにふさわしいものです。
さて、あなたはこんな風貌の人を、「神に近い人」として崇めることができるでしょうか。
そんな思いとは裏腹に、ラスプーチンには多くの信者がいました。
そしてその中には、宮廷に連なる身分の高い女性も数多く含まれていたのです(代表格は、アレクサンドラ皇后・アナスタシア大公妃・ミリツァ大公妃)。
勿論、ラスプーチンにカリスマ性があったのは確かでしょう。多くの人の病気を治しましたし、彼特有の聖書解釈もまた、斬新で説得力が高かったのかもしれません。
しかし、ラスプーチンの特異性は、その女性信者の多さにあります。彼はなぜ、そこまで女性信者を増やすことができたのでしょうか。これには、なかなか淫猥な逸話があるのです。
巨根の持ち主だった??
その逸話とは、ラスプーチンが一種の「男性的魅力」を使って、女性信者を取り込んでいたというもの。
ここで言う男性的魅力とは、決して見た目のことではありません。いわば、男性そのものに魅力があったということ。つまりは、巨根だったわけです。
ラスプーチンはその能力(?)を使い、女性を虜にして、信者をゲットしていたといいます。
この逸話はラスプーチンが生きていた当時から流れていたもので、一説によると皇后アレクサンドラもその魅力に当てられ、愛人関係を築いていたという話もあります。
時の皇后にこんな噂が流れるとは、フランス革命時のマリー・アントワネットを彷彿とさせますね。
この逸話が本当かどうかは分かりません。しかし、ロシア帝国崩壊の遠因となったラスプーチンの「悪」の面を代表する逸話と言って良いでしょう。
ラスプーチンは不死身?驚異の生命力
ラスプーチンが持つ逸話の中で、1番有名で、1番信じられないものをご紹介していきましょう。
それはラスプーチンが持つ、もはや不死身ともいえる驚異の生命力です。
ラスプーチンは皇帝夫妻に頼られ、依存されていました。その依存度合いは高く、「宮廷はラスプーチンの傀儡」と言われるまでに至っていました。
また、ラスプーチンは修行をしたとはいえ、元々の身分は一介の農夫。
ラスプーチン暗殺計画
一介の農夫が気軽に皇帝と会うことができる。その上、その影響力は大きいとくれば、ラスプーチンに嫉妬する人や「悪の根源」だとして取り除こうとする人が現れるのは当然です。
こうして、反ラスプーチン派が暗殺に向けて動きだしました。
1度目の暗殺未遂は、1914年のこと。
ラスプーチンは自宅で暗殺者によって腹部を刺されました。しかし、彼は腹部に大けがを負った状態で、暗殺者に反撃。撃退に成功したのです。
これだけでも、なかなかな不死身っぷりですよね。
さらに凄まじいのは、ラスプーチンは命を落とすきっかけとなった2度目の暗殺でのエピソードです。
このとき、ラスプーチン暗殺の実行犯となったのは、フェリックス・ユスポフとドミトリー大公という、有力大貴族の2人でした。
毒でも胸を打たれてもでも死なない!
1916年12月17日。
ユスポス主催のパーティにラスプーチンは招かれました。そのパーティで用意された食事は、4種類のワインにケーキというものでした。そのワインとケーキには、劇薬である青酸カリがたっぷりと仕込まれていたとされています。
甘口のワインはラスプーチンの好物。
彼は美味しそうに、その毒入りワインとケーキを平らげます。しかし、彼に変化は起きません。とうとう、ラスプーチンは酔いつぶれてしまいました。
そこまで酔っても、毒は効果を表しませんでした。しびれを切らしたユスポフは、拳銃をラスプーチンの体に打ち込みます。銃弾は心臓と肺に当たりました。
ラスプーチンは2発の弾丸が命中したにも関わらず(しかも急所です)、生きていました。驚愕したユスポフはラスプーチンを殴打。さらに額にも拳銃を打ち込みました。
ここまでくると、さすがのラスプーチンも動きません。ラスプーチンの死体は、凍り付いた川に投げ捨てられたのです。
ラスプーチンの逸話がすごい!まとめ
ラスプーチンの生涯から逸話まで、2度にわたってご紹介してきました。世界史ではあまりメジャーでない、ロシア宮廷末期の一面を、垣間見られたことと思います。
ラスプーチンの逸話は、なかなか突拍子もないものばかり。その分、伝説として読んでいると、ファンタジーチックな面白さがあります。そのためなのか、彼をモデルにした作品は、数多く生み出されています。
もし、この記事でラスプーチンに興味を持ったのであれば、そういった作品を探してみてください。きっと、面白い作品に出合うことができるはずです。
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