今日は誰もが一度は耳にしたことがあるソロモン王のお話!
映画「ソロモンの偽証」で、その名前を知った人も多いのではないでしょうか?ソロモンっていうのは王様の名前で、イスラエル王国の第3代国王なんですね!
ソロモン王は父ダビデ王の跡を継ぎ、イスラエル王国の繁栄に一役かったすごい王様なのです!
その一方で「悪魔を操った悪魔使い」とも言われており、多くの謎めいた逸話を持つ人物でもあります。
果たしてどのような人物だったのか?今日はソロモン王について解説していきたいと思います!!
ダビデ王からソロモンの栄光の時代へ
ソロモンの時代は父ダビデ王の時代を継承してゆくことから始まります。少し話をお父さんのダビデにうつします。
美しき父・ダビデとはどんな人物だったの?
父ダビデは羊飼いから出世し、初代イスラエル王サウルに仕えていました。
しかしサウルが神の命令に背いてしまったため、王であることは難しくなります。そこで神のお告げを受ける預言者サムエルは神の言葉に従い、新たに王を探すことになったのです。そこで目についたのが美しいダビデでした。
神様がダビデを王にすると決めてから、サウルにはいろんな悪霊がとりつき苦しむようになったのです。
竪琴の腕前がプロ並みだったダビデはその音色を聞かせ、しばしばサウルの心をいやしたのです。そんな時、イスラエル人は敵であるペリシテ人と戦いを繰り返していました。
そこでダビデはペリシテ最強の戦士であるゴリアテを倒し一気に人気と名声を得るのです。
神話の中では予言者サムエルが神のお告げとしてダビデを王として選んだとされています。
そして、王となったダビデ王と神はある契約をします。
「ダビデ王が教えに背かず神を崇拝し続ければ王国は永遠に続く」
つまり、神様は俺の言ったこと必ず守れよ、じゃなければ国は崩壊するぞとある種脅迫ともとれるような契約をかわすのでした。まあ、神話の話なのですが・・・
意志を引き継ぐダビデの子・ソロモン
そして、ソロモン王も父ダビデと同じく、その神の意志を継ぐことがとても重要でした。
ソロモンはダビデ王が残したいくつかの遺言にも従い、その結果とりわけ大きな問題もなく王国はソロモン王のもとで安定していきます。
しかし一方、ソロモン王はダビデ王とは異なった政策も打ち出したのです。
ダビデ王とは反対に平和的なソロモン王
ダビデ王が戦争という武力で支配していたのに対して、ソロモン王は周辺諸国と政略結婚や交易などの方法で友好関係を築きました。
ダビデ王の暴力的なやり方とは違ってソロモンは平和的に周りの国々へと領土を広めていったのです。
これは時代に合った政策となり、イスラエル王国は領土を広げてゆくことになります。
また内政ではソロモン王は自ら裁判を行いました。
多彩な才能があったソロモン王
かの有名な「ソロモンの審判」が表しているように、論理に基づきソロモン王、自らの新しい政策により繁栄していったのです。
ソロモン王は非常に賢明な王と言われており、3000冊もの書籍を執筆するなどその聡明ぶりを示す多くの逸話も残されています。
イスラエル王国の夢
ソロモン王の人生をかけた一大事業は神ヤハウェのための神殿の建設でした。
父ダビデ王までの時代は神の居場所である神殿がなく相次ぐ戦争や遠征により建造しようにも資金も労働力も無い状況。一説としては神からの許しが出なかったから出来なかったという説もあるようですよ。
そうしてソロモン王の頃にようやく建造が始まります。そして竣工から7年を費やしてついにエルサレム神殿が完成します!
この神殿は金をふんだんに使ったピカピカで豪華絢爛なものだったと言われています。
神から「知恵」という褒美を授かったソロモン王
神話によると、ソロモン王はエルサレム神殿を建造した褒美として神から知恵や能力を授けられたと言われています。
また、神からは神殿や祭壇はユダヤ教徒のためにつくるようにとのお告げもあったそうです。
そして、ある日夢枕に現れた神がソロモンに「何が欲しい?」と問いかけます。
ソロモンは富や権力ではなく知恵と答えたそうです。筆者だったら即答で富と答えますが、、、。
ソロモンは力よりも知恵を好む欲のない真面目な青年だったことがわかりますよね。
ソロモンの黒い噂
そんなソロモン王ですが、謎多き人物でもあります。
ソロモン王にまつわる有名なエピソードに「ソロモンの指輪」というのがあります。
父の夢としてようやくソロモン王の時代に始まった神殿建設でしたが、実は当初、思うように進んでいませんでした。
多くの費用と人を使っているにも関わらず一向に完成の目処が立たなかったのです。
困り果てたソロモン王は、モリヤ山の高く突き出た岩に登り神ヤハウェに祈ったのです。
ミカエルからのすごい贈り物とは?
すると突然、神ヤハウェが遣わした大天使ミカエルがあらわれたのです!
まばゆい光と共にエメラルドの翼を広げたミカエルの姿があり神々しい光景だったそうですよ!
ソロモン王はミカエルから真鍮(しんちゅう:銅と亜鉛を混ぜ合わせた合金)と鉄で出来た指輪を授けられます。
それはなんと天使と悪魔を自在に操ることのできる指輪!
ソロモン王はこの指輪を使い、悪魔を働かせることにより、ものすごいスピードで宮殿を完成させたのです。
またソロモン王は大天使ミカエルから指輪だけではなく、魔術書も授けられ優秀な魔術師とも言われました。
さらにさらに!ソロモン自身でも多くの魔術書を執筆していたため、悪魔と契約していたのではないか!など黒い噂も囁かれていたそうです。
ソロモン王国の滅亡
順調に思えたソロモン王の時代は、徐々に衰退しはじめていきます。
ソロモン王は神殿建設などの費用のため、国民に税金と労働を強います。
また徹底した民族差別政策を行い、自身の出身であるユダ族(イスラエル王国を構成していた12氏族のうちの1氏族)は優遇するのに対し、異民族には多大な労役を課すなどしたのです!
この政策は支配領域を拡大するにつれ、次第に民衆との不和を生むようになります。
神からのお告げを無視したソロモン王
またソロモン王自身は各国からたくさんの妻を娶り、その結果さまざまな宗教が入ってくるようになりました。
そしてその妻の為に異教の祭壇や神殿を作り、ユダヤ教以外の宗教を黙認してきたのです!
こうした異教の神殿などの建設には13年あまりを費やし、その負担も多く国民へのしかかっていきます。
その後イスラエル王国はこのソロモン王の死後、すぐに滅亡してしまいます。
民族間の不和などが大きな原因と言われていますが、実は神との約束を守らなかったことで神の怒りに触れたからとも言われています。
あれほど「ダビデ王が教えに背かず神を崇拝し続ければ王国は永遠に続く」と言っていたのにソロモン王は教えをやぶってしまったのです。
以降、ユダヤ人は自分たちの国を持つには1948年のイスラエル建国まで待たなくてはならなくなるのです。
ソロモンの指輪の秘められた悪魔の正体
ソロモン王はスムーズな政権移譲、平和外交などのすばらしい功績がありました。
しかし神殿建設や異教との融和などでの行き過ぎたやり方を民衆は止めることができなかったように思います。
「ソロモン王が悪魔と契約していたという伝説」は、こうした晩年の神殿建設に執着する様子や、異教徒を受け入れ偶像崇拝をする姿がまるで悪魔に憑かれたように見えたことから生まれたのかもしれません。
有能で実直な人間というのは向かう方向が正しければ素晴らしい功績を残しますが、反対に間違った方向へ向かって行けばその分多くの間違いを犯してしまうものです。
ソロモン王も間違ったことをしていないと思っているだけに止めることが出来ませんでした。
実在したソロモン王とはどんな王様だったの?まとめ
イスラエル王国はユダヤ教にとって非常に重要な歴史です。
また生母マリアはソロモン王の血筋という話もあり、キリスト教においても重要な人物とされています。
そして現代においてもソロモンの名は多くの作品の題材にされ、逸話も相まって、今も人々を惹きつけて止まない人物なのです。
ソロモン王は大天使ミカエルから授かった指輪により悪魔を使い、神殿を完成させたと言われていますが、その指輪は今もどこかに存在しているのでしょうか?
もし今も存在しているとしたら、悪い人の手に渡らないことを切に願います!
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