日本政治

排他的経済水域って何?子ども向けに簡単解説します。

スポンサー

ここ何年か、北朝鮮がミサイルの実験を続けています。

ちょっと間違ったら日本に飛んでくるのでは、と不安に感じている人も多いはず。

そんなニュースの時によく、「日本の排他的経済水域に落下」なんてことが書かれていたりします。

この「排他的経済水域」って何なのでしょう?

今回はこの言葉を解説してみたいと思います。

「排他的経済水域」って何?

まず、領土・領海って何?

皆さん、「領土」についてはすぐにイメージがわくと思いますが、同じように「領海」という言葉があるのを知ってますか?

国際的な条約では、沿岸から12海里(カイリ)までが、各国の「領海」になる、と決まっています。

1海里とは、1852m。

なんでそんな中途半端なの?と思うかもしれませんが、実は地球上の緯度の「1分」(1度の60分の1)にあたる長さなんです。

ではなぜそんなことを決めるかというと、理由はいくつかありますが、例えばある悪い殺人犯がいて、「普通に陸上で人を殺したら国の法律で裁かれるけど、ちょっと浜辺から浅瀬まで歩いていってそこで殺したら、『国の外』だから法律では裁かれないぞ!」なんていって海上で人を殺したりしたら大変です。

なので、12海里までは各国の陸の領土と同じ範囲とみなして、いろんな法律などを適用させられる、「主権が及ぶ」なんて言い方もしますが、「領海」はそのように決まっています。

だいたい17世紀には、そのような考え方で主要国には合意されるようになりました。

合意とはいっても、当時海の領土のことまで気にする国なんてごくわずかでしたので、そうしたわずかの国の間で合意するだけ済む話でした。

では排他的経済水域って何?

20世紀に入ると、領海のもうちょっと外側の海底でいろいろと資源が見つかるようになったり、沿岸からかなり離れたところで漁業を行ったりすることが当たり前になってきました。

またその関連で、海底の調査なんかも活発に行われるようになりました。

最近は、海の上に巨大な島をつくってしまう国まで現れていますが。

そうなってくると、12海里という範囲のルールだけでは不十分になってきます。

そのもうちょっと外側についても、「領海」に近い考え方で、沿岸の国のものだ、という考え方ができないものか、という議論が起こってきました。

そうしないと、技術の進んだ一部の国が、世界中の海の資源を自分のものにしてしまいかねません。

そしてできたのが、国連海洋法条約というもので、沿岸から200海里(約370キロ)までが「排他的経済水域」と定められました

設定水域の海上・海中・海底、そして海底のさらに下に存在する、①魚などの水産資源、②レアメタルや石油などの鉱物資源については、「排他的」、つまり、他の国には邪魔されない自分たちだけの権利、が認められるようになりました。

またさらに、海水・海流・海風から得られる自然エネルギーについても、同じように認められています。

ただ邪魔されないとはいっても、その国以外が絶対に立ち入ることもできない、ということではありません。

船のルートなんかは、他の国の水域を通らないといけない、なんてこともよくあるので、そういう時は権利をもっている国の許可を得て、となります。

ついでにいうと、人工島や施設の建設、環境を破壊する恐れのある行為、海洋の科学的調査の実施なんかも、沿岸の国はそれを認めるかどうか決める権利をもつ、ともなっていて、もしある国が他の国の排他的経済水域でそういう行為をする場合は、沿岸国に事前に申請をしないといけません。

排他的経済水域のさらに外は?

世界の海は広大です。

排他的経済水域が200海里まであるとはいっても、各国のそれを合わせても海全体の面積のごく一部で、大半はどこの国にも所属していない海が広がっています。

そうした広い海は「公海」と言われます。

ここでは、漁業も資源の開発も自由となっています。

ただ、突然どこかを「ここは俺たちの海だ」なんていうことはできませんし、世界に約200ある国それぞれに自由があることは尊重しなければならない、となっています。

突然人工島を作ることはそれに反していますので、某国は、そのエリアについて「公海ではなく自分たちの排他的経済水域だ」と主張しています。

ミサイルを落とすのはどうなの?

排他的経済水域にミサイルを落とすなんてことは、さっきの条約ができた段階ではたぶん想定もされていなかったのではと思います。

排他的経済水域では、沿岸国の漁船が漁業を行っていたり、調査会社や学者が調査を行っていたりすることがあるので、そこに外国が何か影響を与える行為をする場合は、事前に許可をとらなければなりません

ミサイルを落とすという場合も、筋でいうなら、事前に日本政府にお知らせをしなければなりません。

でも、どんなに丁寧に、例えば「〇時〇分、北緯〇度、東経〇度の場所に、直径〇メートルのミサイルを撃ち込みますので、その時はそこを船が通らないようにしてくださいね。そうしないと危ないですよ。」なんて言われたところで、許可をするわけがありません。

よって北朝鮮は、許可をとるなく勝手に打ち込んでいるわけです。

結果的に被害は生じていませんが、もし生じたら大変な国際問題になります。

こうした、「法を破る国」があっても、取り締まったりする強制力まではないのが現実でもあるんです。

 

 

 

 

スポンサー